アテネのHotelに宿泊した。二階がレストランになっていた。朝食をとりながらギリシャ人が会社に歩いて出勤する風景を眺めていた。
 すると道路の向かいに一人の男が座っているのに気がついた。毎朝同じ場所に座っている。物乞いも朝早くから大変だな、と思って観察した。
 何日かすると、その男はタバコを吸うために時々席を立つのが分かった。さらに通勤途中の馴染みの女性もいて、小銭を出して彼と話している。
 ほう〜と思っていたら今度は警官と親しげに話している。もしかして、彼は人格者で皆の仕事の疲れの相談にのってあげているのかもしれない、とおもったくらいだ。
 ギリシャ人はギリシャ正教を信仰している人がほとんどてある。ワークショップに参加した若い子とランチに行った時の事である。食事中に物乞いの人が来た。
 おう、Angels come と言いながら、彼女は食事の手を止めて小銭を出した。物乞いも小銭を貰っても何も言わずに立ち去った。
 彼等は、まるでお前たちが善行を積む手助けをしているのだ、みたいな態度である。