お盆の一週間ほど前に、弟が父親が迎えに来た、と言った。夢の中に父親が出てきて、先祖が眠っている墓に入れ、と彼の手を引っ張った。
弟はまだ死にたくないと、父親の手を引き払ったという夢である。

これで当分死ななくても済むかも。と冗談混じりに夢の話をした。墓参りに行かなくちゃなあ、と言ったので旅費を私が負担した。
弟の方が墓参りや母親の面倒を長い間見てきている。昨年度は、両親の何周忌だから村上の墓参りをしろとも弟に言われた。行く気があるけど、そのままにしていたので、やはりなぁ、という気持ちが湧いてきた。

ところが今朝、その父親が私の夢の中に出てきた。一緒に家に帰るところである。見慣れない古い電車が一両で駅に着いた。行先を確かめようとしている内に、父親はその電車に乗っていってしまった。私は、家の方向とは違うことに気がついたが、電車はすでに発車してしまうのだ。

我が家は神道なので、あまり祭り事はしない。仏事に沿った行事は神道ではないのだが、神仏一体の風習に見習って様々なことをする人達もいるようだ。
弟は墓参りをきちんとしていたので、母が亡くなって何周忌なのに墓参りをしないので、呼びに来たんだと笑っていたが、私の所にも今朝現れた。

幸い父は一人で方向の違う電車に乗って行ってしまった。まあ、帰ってしまったと言える。
そうすると、わたしも死なずにまだまだ好きなことができるな。
お父さんありがとう。