僕は毎年、吉崎東別院でGestaltの合宿をしている。
福井県カウンセリング研究会というところが呼んでくれる。
多分、日本で一番古いカウンセリングの会である。

この地は蓮如上人が浄土宗を広めたことでも知られている。
毎年4月17日に、京都の東本願寺から上人の御影道中の旅が
行われる。

湖西回りで一週間かけて240Kmの旅である。
この行事が300年も続いているのは、福井の地方の人たちだけでなく、
上人様もまたこの地を「こよなく愛していた」証でもある。

このお寺には『嫁脅しの面』とその言い伝えが残っている。
この地方には嫁いびりの習慣があり、
姑が嫁をいじめる為に怖い面をかぶり脅かすそうだ。

ある時、上人に会いに行く嫁を脅す為に姑が面をつけたところ、
その面がとれなくなってしまったという。
その伝説の『瓦の面』がお寺に残っているのだそうだ。
この話だけを聞くと陰険な地方だと思ってしまうだろう。

上人様のありがたい話を聞くのを阻止しようとしたから罰が当たった、
というわけだろうか。
それほど上人の眼力が強いという言い伝えにもなっている。

ところが地元のお坊さんに話を聞くと、
『実は上人様はかなりの女好きで、お盛んだったようです』
とのこと。
英雄色を好む、というけれど偉いお坊様も中々やるじゃないですか。
それを姑たちは知っていて、新しい嫁に注意する為に脅かしたのだろう。

さしずめ天国で、蓮如上人と、女好きのゲシュタルトのPerlsとが出会ったら、
Perlsは『大先輩にお会いできて嬉しいですよ』と言ったかもしれない。
それに答えて上人様は『いやいやお主もなかなかやるのう』と応えたかも。