「身体感覚と記憶」がゲシュタルトのワークでどのように扱われるのかを解説しています。

前回(第2回~ワークのアプローチ~)で、クライアントの<未解決な問題>が明らかになりました。
今回は、ゲシュタルトの<未解決な問題>とは何なのかを理論的な観点で説明します。

~第3回:ゲシュタルトの理論<未解決な問題>~

ゲシュタルトの理論
<未解決な問題(Unfinished Business)>

ゲシュタルト療法では、当人が「解決していない出来事」や「未完了な体験」が、大人になっても現実の社会生活や対人関係に影響を与えることを「Unfinished Business (未解決な問題)」といいます。

この未完了な体験や感情は、完結するまで「時間と空間」を超えて存在するのです。当人の未完了な体験とは、子供の頃に「母親が認めてくれない」という体験と、「胃が緊張」するという身体感覚から成り立っています。

したがって、当人は仕事で「胃の画像」に注意を向けている場面が持続すると、過去の未解決な問題の記憶が呼び覚まされてしまうのです。

あるいは胃の緊張の画像を「眺めている」と、過去の「認めてもらえない」という気持ちが存在している世界にトリップしてしまうのです。

あるいはその逆でSensation(胃の緊張)→ Emotion(不安)→ Feeling(未解決な問題)と、身体感覚が連動して、過去の子供のころの世界に引き込まれてしまうのかもしれません。

その結果、「早く解放してあげたい」という気持ちが先行してしまうのかもしれません。普段のCT・肺のX線、乳房の映像の場面とは明らかに何かが異なっていることに当人も気づいているのでしょう。

フリッツ・パールズは「未解決な問題」とは過去の問題のことではないといっています。過去の体験が「今-ここ」の現在の体験に重ね合わせられてしまうことなのです。そのために充分に「今-ここ」にいないことが問題であると指摘しています。

過去が本当に過去であれば、「今-ここ」で過去が問題とはならないからです。

それではファシリテーターはどのような場面で「未解決な問題」であると分かるのでしょうか。

【10/12掲載予定】第4回~ファシリテーターのプロセス~