長野駅前のスターバックスでコーヒーを飲んでいた。朝早くから空いていて、静かな時間帯に、ゆっくりとコーヒーを飲むことが出来て気持ちが落ち着くのだ。
相変わらずこの不味いドーナツはコーヒーを引き立ててくれるな。などと思っていたら、入ってきた客が大きな声で本を読み出した。
このジジイはボケが入っているのか?それとも何かの練習なのかと、顔を上げたら黒いカーボーイハットを被っていた。
しばらくしても大声で読書をしているので、若い店員の子が近づいて、注意をした。
すると男は更に大きな声で読み上げ出した。若い店員の子はなかなか肝が座っていて、このままなら警察を呼びますよ。と宣言した。
おう!
やるじゃないかこの子は、と嬉しくなった。普段なら駆け参じて、そうだ。お前はうるさい。というところだが成り行きの方が面白い。
暫くすると警察官が二人来た。男の警官が注意するも逆ギレして、逮捕してみろと騒ぎ出した。そこで若い婦人警官にバトンタッチ。
おっ、警官も慣れているようで素早く入れ替わった。
しかし、更に大きな声で、俺を逮捕するより闇の組織を逮捕しろ!とわめき出した。
Wao 面白くなってきた。おう、そうですよね。ヤクザとか詐欺師とか政治家など捕まえてよ。
婦人警官がジジイの身分証明書をもらい何処かに電話した。と、直ぐに二人の警官が現れた。
ジジイは更に逆上して、俺を逮捕するより闇の組織を逮捕しろと言った。すると新しい警官が、闇の組織とは何ですかと尋ねた。
おう、ジジイはついに秘密の組織について語りだすのか!
地震や津波を起こしている組織だ。
あっ、そっちでしたか。分かりました。
警官は静かに、あなたを保護します。と伝えた。すると男はあっさりと静かになり、二人の警官について行った。いつの間にかポリスカーのマークが無い車が来ていて、それに乗り込んでいった。
イャあ!勉強になりました。闇の組織ですね。
逮捕するより、保護します、と言う言葉を聞いて静かに従って行ったのである。
スタバの若い店員の子に、度胸があるねと褒めたら、ドキドキしながらでしたよと満更でもない感じでしたよ。
終わり