目の手術のために横浜の病院に入院した。
朝早く指定された時間に行ったら、四人部屋に連れて行かれた。
まだ誰もいない。
と思ったら年配の方が奥さんと一緒にやって来た。
しばらくすると、背の高い男性がやはり奥さんと入って来た。
三人とも明日が手術の日だと分かった。

ところが手術の順番は逆で、背の高い男性が朝の9時に点滴を付けて車椅子でオペ室に連れて行かれた。
一時間後に部屋に戻ってくるなり奥さんに『怖かったよ』と言ったのがカーテン越しに聞こえた。
『目に針を刺すのが見えた』らしい。
俺は『えっ、手術の時に針を刺すのが見えるの?メスで切るのが見えるの?!』とビビった。

次に年配の方が11時に点滴を付けて車椅子でオペ室に入って行った。
一時間後に部屋に戻って来るなり、バタンと何も言わずに倒れこんだ。
流石に疲労困憊しているのが伝わって来た。
俺は午後からだ。二人とも手術は一時間くらいなので、そのくらいなら我慢できそうだ。

ところが予定の時間になっても、点滴の用意に看護師が現れない。
と、思ったら看護師が『前の人が、予定より長引いている』と伝えに来た。
『えっ、午後からは時間かかる人??』『俺も?!』と妄想が膨らんだ。

結果はやはり二時間もかかってしまった。
オペ室に入って血圧が急に200と高くなったのは、彼奴らのせいだと言いたいけど、手術する片目だけの麻酔は、隣の患者が合図なしに咳をして、医師が『急に動かないでください。メスを向けているのですから』という手術中の会話も聴こえてるし、やっぱり『こわーいよ』だなぁ。